突如響き渡る轟音、その正体は…
「え、マジか…」
我が家のリビングに、突如として響き渡る鈍い音。ガシャン、という地響きにも似たその音の主は、そう、愛すべき我が家のドスコイ犬、リト(推定体重40kg)である。
彼は今、まさしく、リビングの一角に置かれた小さな椅子の上に、堂々と、いや、もはや「鎮座」と表現するにふさわしい姿で座り込んでいた。
これがどれだけ衝撃的な出来事か、リトを飼っている皆さんならお分かりいただけるだろうか。いや、飼っていなくても、この写真を見れば、その衝撃度が少しは伝わるはずだ。

見てくれ、このドヤ顔!「どうだ、俺様にかかればこんな椅子、へっちゃらだぜ!」とでも言いたげな、このふてぶてしい表情。お前は一体、どこでそんな技を習得したんだ、リトよ。
前足ちょんちょんから華麗なジャンプへ!
思えば、リトが椅子に興味を示し始めたのは、つい最近のことだった。最初は、ただ前足をチョンと乗せて、「この上、なんか楽しそう!」とばかりに、全身で訴えかけてくるだけだった。
「はいはい、降りなさいよー」なんて言いながら、私は彼のその「椅子に乗りたいけど乗れない」というもどかしい姿を、微笑ましく見守っていた。
まるで、初めてよじ登ろうとする赤ちゃんを見守る親の心境である。いや、赤ちゃんじゃないな。巨大な毛むくじゃらの怪獣か。
それがある日突然、彼はやってのけたのだ。
「ガシャン!」
という、それはもう、家が揺れるかのような轟音とともに、彼は軽々と、本当に軽々と、その小さな椅子に飛び乗ったのだ。
私はその瞬間、二度見どころか三度見、いや、四度見くらいしただろうか。自分の目を疑った。幻か?いや、目の前には、椅子の上にちょこんと、いや、ドカッと座るリトの姿がある。
王座に鎮座する哲学犬(?)リト
しかも、その座り方がまた絶妙なのだ。まるで、長年愛用している自分の定位置であるかのように、片尻を椅子に乗せ、もう片方は宙ぶらりん。そして、どこか遠くを見つめる、哀愁漂う(?)横顔。

うむ、この近影を見れば、彼の賢さが少しは伝わるだろう。こんなにも澄んだ瞳で、一体何を考えているのだろうか。もしかしたら、この椅子の上で、哲学的な思索に耽っているのかもしれない。
「今日は晩御飯、何かな…」「おやつ、まだかな…」「あそこに落ちてる俺のおもちゃ、どうやって取ろうかな…」
いや、きっとそんなところだろう。哲学とは程遠い、食いしん坊の脳内会議が行われているに違いない。
どこでも「ガシャン!」鳴り響くリトの生活音
この「椅子に飛び乗る」という新技を習得して以来、リトの生活は一変した。いや、一変したのは私の生活の方かもしれない。
彼は、事あるごとに椅子に飛び乗るようになった。
私がキッチンに立つと、「ガシャン!」と飛び乗って、上からじっと見下ろしてくる。「おい、なんかいいもん作ってるのか?」と、その視線は語る。
私がテレビを見ていると、「ガシャン!」と飛び乗って、まるで「俺も見る!」とでも言いたげに、画面に食い入るように見つめる。いや、テレビの内容は理解できてないだろうけど。
しまいには、私がソファに座っていると、隣の椅子に「ガシャン!」と飛び乗ってきて、まるで人間のように「おい、お茶でも飲むか?」とでも誘っているかのような佇まいを見せる。
本当に、彼にとっては、あの小さな椅子が、まさしく「王座」なのだろう。
40kgの衝撃!ヒヤヒヤの着地と未来の王座
しかし、この「ガシャンガシャン」という音。これがなかなか侮れない。
40kgの犬が飛び乗る音というのは、想像以上にデカい。まるで、どこかで家具が倒壊したのかと思うほどの破壊力だ。
そして、一番心配なのは、彼が椅子から降りる時だ。
勢いよく飛び乗るのはいいが、降りる時はどうにも不器用なのだ。たまに、バランスを崩して「ゴン!」とか「ドスッ!」とか、聞いているこっちがヒヤヒヤするような音を立てて着地する。
「リト、怪我しないでよ!」
そのたびに、私は心の中で叫んでいる。この巨体で、もし変な降り方をして足でもひねったら…考えるだけでゾッとする。
でも、彼にとっては、椅子に座ることが、まるで人間と同じことをしているようで、楽しいのだろう。彼のキラキラした目を見ると、止められない。
正直なところ、この椅子、リトに占領されてからというもの、本来の用途では全く使えなくなってしまった。リトの足の臭いというものが椅子についてしまったのだ・・・。もはや、「リト専用座椅子」と呼ぶべきか。
でも、いいのだ。彼の嬉しそうな顔を見ていると、それだけで私も幸せになる。
「しかし、いつかあの椅子が、彼の体重に耐えかねて大破する日が来るのではないか…」
そんな不安も、頭の片隅をよぎる。その時は、より頑丈な、そして、もう少しだけ広い「リト専用王座」を用意してあげようかと、密かに計画中である。
愛すべきドスコイ犬との面白エピソードは続く
それにしても、犬って本当に面白い生き物だ。毎日毎日、飽きることなく、私たちを笑わせてくれる。
リトが椅子に座る姿を見るたびに、私は「今日のブログのネタはこれで決まり!」とばかりに、ニヤニヤしてしまうのだ。
これからも、リトの奇行(?)は、きっと私たちの想像を超えていくだろう。そして、そのたびに、私はこうして彼の面白エピソードを皆さんに報告する義務があると思っている。
だって、こんなに可愛いんだもの。こんなに面白いんだもの。
さて、そろそろリトがまた椅子に飛び乗る音が聞こえてきそうだ。
「ガシャン!」
あ、聞こえた。今日も彼は、椅子の上で何を企んでいるのだろうか。
彼の「椅子生活」は、まだまだ始まったばかりだ。
え、誰!? リト、あんた一体誰なのさ!? 我が家の白いモフモフ巨獣化計画、爆進中!