歯医者に抗不安薬を服用して頑張って治療に向かう人や、どうしても治療中に口も開けられないほど苦しい思いをしている人もいるかもしれません。
それらの要因として、パニック障害を引き起こす閉鎖空間というものがあります。
その場から逃げたい時に、逃げられない状況にある場合です。
歯医者さんが苦手な人は多いのではないでしょうか。
こんにちは、あおちど。です。
パニック障害を持っている人で虫歯があって治療したいんだけど、歯医者に行こうとすると予期不安が襲ってきて行けない、とか、治療中の先生や助手さんの視線が怖くて治療が無理、というような行かない理由は幾つでもありますね。
私は歯医者の待合室で必ず予期不安に襲われて動悸、吐き気に加えて、治療中は口の中に器具が触れただけで反射的にえずく(嘔吐反射)状態でした。
そのような状態なので、虫歯になっても歯医者に行くことはなく、そのまま放置してしまいどんどん歯が溶けていきました。
虫歯って少しあっただけでも虫歯菌が増殖して健康な歯も侵食してしまうんですよね。加速度的に虫歯が増えます。
治療する選択肢を放棄していたんですが、転機が訪れます。
顔がパンパンに腫れ上がって、激痛でどうしようもなくなったのです。
当たり前ですよね。予期不安があってもいい、治療中にえずいて息ができなくなってもいい、どうにかしてくれ!という思いになったわけです。
それから治療が始まったわけですが、長い期間の治療を乗り越えて、今では無くなった歯も復活して、食べられなかった肉も食べられるようになりました。
何より1番よかったことは、人前で口を開けて笑えるようになったことですね。
これは精神面でもプラスになりました。
自分の症状の度合いを知ることと治療方法次第では大きな口を開けて笑うことが出来るようになります。
そのためには長い期間治療に費やしたわけですが、そのメリットは大きいです。
歯医者に行くことを悩んでいる人はぜひ最後まで読んでいただきたいです。
ではどうぞ。
歯磨きで辛い人はこちら。
歯医者に行くことが怖い理由は予期不安
治療の時間が迫ってくると・・・
歯医者の予約の時間が近づいてきたよ。
だんだん動悸が・・・。気持ちも悪くなってきた。
院内に入って待合室で待機していると・・・
不安で気持ちが悪いことが周りの人にバレていないかなぁ。
この独特な匂いと音でさらに発作が強くなるんだよ。
治療中には・・・
器具が舌に当たるとおえってなっちゃう!
だんだんと先生の視線が怖く感じてくるよ!
閉鎖空間による不安
歯医者の治療室は広いわけではないんですが、広場恐怖ですね。すぐに逃げられる場所がないと不安になる恐怖症です。
治療が始まればトイレに行きたいと言ってもそういうわけにはいきませんよね。そんな状況だとソワソワして動悸が始まり、吐き気までしてきます。
似たような場所で映画館、美容院あたりもこれと同じです。
映画館で映画を見るときは通路に面した席を取ったりする行動は、このような不安があるからかもしれませんね。
歯医者では座る場所を決められないし、終始視線を感じてしまうことから、映画館より難易度は高いです。
他人に注目されているという不安
社交性不安などがある場合には他人に見られていると不安に感じます。
小学校の国語の授業で立って音読させられてるのと似ています。読む順番があらかじめわかっている状況だと予期不安もしっかりありました。
注目されて顔が赤くなってしまうことから赤面症とも呼ばれていました。
歯医者でも視線を向けられるので、そこから緊張してしまいます。
空間が苦手な場合の対処策
待合室では
予期不安が始まったきたなぁ。動悸がしてきたよ。
今日は僕も付き添いできたよ。
予期不安?大丈夫だよ、スマホ見たり音楽を聞いたりリラックスしてみて。
理解者と一緒にいると1人の時より安心できるかも。
好きな音楽や、院内のオルゴール調の音楽に集中するのもいいかもね。
そうそう、あとは楽しいことを想像するのも発作を抑えるのに効果的だよ。
空間に慣れる
1番なのは通い慣れる。ということが全て解決してくれます。
なんと私は歯医者の治療に約1年半もの期間を費やしました。通い初めの頃は非常に辛かったですが、回数を重ねるうちに発作も出なくなったり、出ても症状が軽かったりするようになりました。
回数で言えば10回目ほどから少しづつ楽になっていった感じですね。2ヶ月から3ヶ月くらいから、と言ったところでしょうか。
治療前に抗不安薬を服薬して挑んでもいいです。とにかく不安に思うことを少しでも減らして慣れていくことが重要です。
楽しい場所をイメージする
あなたの好きな場所を想像しましょう。
ゲームが好きな人はゲームセンターや、自宅でゲームをしている場面などや、庭づくりが好きな人は、買うお花を選んでいるところや、植えているところを想像したり。
ようするに治療のことを忘れて他のことに集中しましょう、ということなんですが初歩的ですみません。
簡単にできたら苦労しませんが、意外とやってみると少し気が楽になります。
治療中、見られている不安の対処策
歯の治療中
見られていたりすると緊張してしまって吐き気がしてしまうんです。
他にも嘔吐反射が強くて今まで治療ができないでいました。
似たような患者さんをいっぱい治療してきてますよ。
こまめに休憩を挟みながらするので安心してくださいね。
あれ?器具が舌に触れないし水も喉の奥に来ないぞ。
この先生は僕が気持ち悪くなるポイントを知っているぞ。
・・・う。気持ち悪くなってきた。
そろそろ休憩入れましょうか。
うがいをして少し休みましょう。
おぉ。気持ちがわかってくれてる先生だ!
この先生なら安心できる!
先生と信頼関係を築く
診療を受けるときは予約を入れる時に嘔吐反射がつよいです。などの情報を伝えておきます。
理解のある先生ならば緊張しないように休憩を挟みながら優しく接してくれます。
中にはパニック障害のことを存じない歯医者さんもいるわけで、そのようなところは通わないようにしてください。無理をして治療してもさらに発作が強くなり継続ができなくなります。
信頼できる歯医者の選び方
・患者の数は適切か。1人の治療時間を十分にとってあるか。
およそ1人にかかる治療時間は30分から1時間とされています。患者の数が多ければ1人に掛けられる時間は当然減っていきます。
治療時間が減るということは具体的に、麻酔がちゃんと効く前に治療を始められるなどして、痛い思いをしてしまったりしたことで予期不安の悪化などが考えられます。
・治療の時に同じ先生がついてくれる。
治療の時に同じ先生が来てくれることで安心感が生まれます。前回の先生はうまく治療してくれてよかったけど、今回はどうなのかな。と不安に思ってしまう材料が増えてしまいます。
毎回同じ先生なら不安に思うことが減りますね。
・パニック障害について理解している。
これは前提ですね。こちらの気持ちがわかってくれている先生に治療をしてもらいたいものです。
参考 日本歯科医療評価機構
食事の量を調整して治療に挑む
私の場合は、日中に仕事をして仕事が終わる夕方から治療の予約を入れていました。人によって治療できる時間は違うと思うんですが、治療のある日の昼食は食べない、それか普段食べる量の半分くらいにして、治療する時間帯に空腹状態とすることで吐かない安心感を作っていました。おかげで緊張もほぐれて治療がうまくいった時に、先生にこのことを話したら『学会で発表しなきゃ!』と冗談で喜んでいました。
自分なりの安心の仕方、というのを探してみるのもいいかもしれないですね。
それでも治療が難しいときは
先生?他にも僕みたいな人いますか?
いるよー。
症状がもっとひどい人もいるよ。
気を失ったりする人もいたよ。治療はその日は諦めてもらって、後日に来てもらったけどね。
静脈内鎮静法
あまりに緊張したり嘔吐反射がひどいという方は静脈内鎮静法という方法があります。
歯医者が怖くて行きたくても行けない人は歯医者さんに相談してみてもいいでしょうね。
まとめ
パニック発作が出てしまい歯の治療を諦めてしまっている人は、もう一度考えてみましょう。
治療後のことを想像してみてください。
綺麗な歯を手に入れ、食べるものでは野菜などのシャキシャキ感が味わえ、肉の歯ごたえを感じ、再び人前で大笑いできている自分の姿がゴールです。
そのためには過程である治療も頑張らなければいけませんが、いい先生に出会えれば近道になることでしょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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