パニック発作を一度でも経験したことがある人にとって、また発作が起きてしまうのではないかという不安により、行動が制限されてしまうことは少ないことではありません。
実際、私も座席が埋まってしまっている電車の中や、気を使ってしまう人の運転する車に同乗する時などは、発作が起きてしまわないか今でも不安な時があります。
そして、いつ発作が起きるかわからないという事から人の多い場所に行けなくなったり、前に発作が起きた所を避けるようになったりするうちに、どんどん行動範囲が狭くなっていきます。
そうしているうちに家から出ることが出来なくなり、俗にいう引きこもりになってしまった。というのは私の過去になります。
検索して来てくださった方は、この事にすごく共感されるのではないでしょうか。
今回の内容は、私がパニック発作が起きそうな時にしている対処策を紹介していきます。
パニック発作
この後、苦手な人と仕事だ。
教えられるのはいいんだけど、言い方がキツイんだよなぁ。
この後、新入りと仕事だなぁ。今日も強めに教えてやるか。
はぁ、はぁ。やばい、発作が始まってる。
気持ち悪くなってきたし、目眩が・・・。
パニック発作とは
身に危険が迫った時に、動悸やめまい、発汗、息苦しさ、胃の不快感、手足の震えといった症状が出る事をパニック発作といいます。
本来は地震や火事など、突発的な身の危険から逃げ出すための体(脳)のメカニズムなのですが、それが何かの拍子に間違って起こってしまうことがあります。
命の危険を感じたときになるはずの発作なのですが、なんでもない時に起こっても、恐怖から逃げなきゃという気持ちになったり、その場で呼吸が苦しくなって具合いが悪くなってしまったりします。その時には命の危険を感じるほどの恐怖も感じてしまいます。
命の危険を感じるほどの恐怖というのが厄介で、次にある予期不安に続きます。
他のパニック発作の記事はこちら。
予期不安とは
予期不安とは、パニック発作による強い恐怖体験をしたときの場所や状況を覚えていて、同じか似たような場所、状況に恐怖を感じてしまい、再びパニック発作が起きてしまうのではないか、という不安を感じてしまうことを言います。
命の危険を感じるほどの恐怖を経験しているので、その時の場所や状況は強く覚えているわけです。
例えば電車に乗っているときに発作により気分が悪くなった人が、次になんでもなく電車に乗れませんよね。不安を感じるわけです。そして、その不安を感じた時に再びパニック発作が起きてしまう人がいます。予期不安によってパニック発作が起きてしまうと、人のいるところへの外出や会食が恐怖心で出来なくなり、行動範囲が狭くなっていってしまうわけです。
パニック発作(きっかけ)→ 予期不安 → 予期不安によるパニック発作 → 予期不安を避ける → 行動範囲の縮小(パニック障害)
混同してしまいがちですが、パニック発作とパニック障害とは違うことがわかります。
パニック発作が起きやすい場面
なんでいつも階段を使っているんだろう。
エレベーターのような空間に入るのは苦手なんだよなぁ。
なんで渋滞するのわかってて車で通勤してるんだろう。
電車やバスに乗るのはちょっと怖いんだよなぁ。
閉所や、すぐに逃げられない場所
例えばエレベーターや、映画館、初めて行く建物の中など。
エレベーターを利用した時に目眩がしたことがあります。エレベーターが止まるときに体がフワッとなりますよね。最初はその時に目が回ったのかなと思いましたが、その後しばらく目眩がおさまらないんですよね。階段がある場合には階段を使っていた時期がありました。
映画館や、トイレの位置などが把握できていない建物の中などでは、不安から気持ちが悪くなることがありました。これはすぐに逃げられない状況の時ですね。
映画館では気持ちが悪くなった時に、外に出ようとしてもたくさんのお客さんの前を通らないといけないので、視線が集中するのではないか。など考えてしまい、緊張してしまいます。見たい映画がある時は席を取るときに通路に面している席を希望しています。
大勢の人に囲まれている場所
授業中にみんなの前で朗読や発表をする時には、声が裏返ったり気持ちが悪くならないかなど、みんなの視線を感じていたりする場面。
大勢の人に見られていると、うまく話せなくなったり、何か失敗した経験から強い不安を感じてしまい発作が起こってしまうことがあります。
電車やバスなど
電車やバスでの移動が苦手の人は多いはず。なぜかというと、体調が悪くなってしまった時、すぐに1人になれたり逃げ出せる環境ではないからです。
もし、電車の中で気分が悪くなってしまって周りの人に見られたらどんな思いをさせてしまうだろう、どれだけ迷惑をかけてしまうだろうと不安になってしまい、その不安が大きくなり発作が起きてしまうからです。
私の場合は、電車の席に座れたり、誰か心の許せる人と一緒にいると大丈夫なようです。しかし1人で乗ることはやはり不安で滅多に1人では利用することはありませんね。
予期不安により行動範囲が縮小する
前にここの通路を通った時に発作になったから、ここを通るのはやめよう。
人と会うと気分が悪くなるから、なるべく会わないように家にいよう。
最近お風呂も怖いんだよなぁ。明日入ろうかな。
発作の起きた場所に恐怖感を覚えてしまう
パニック発作が起きてしまうと、恐怖心が襲ってきます。その恐怖心が襲って来た時の状況を脳が覚えてしまいます。これが厄介で、場所や時間帯、気温やその時にいた周りの人など、さまざまなことを覚えていて、次に似たような状況になりそうな時や、その状況になることがわかっている状態になると強い不安を感じるようになります。強い不安が襲ってくることを予想できるので、今度はそれを回避する行動を取ってしまいます。
回避することは特に悪いことではないんですが、この状態が続いてしまうとどんどん行動できる範囲が狭くなってしまいます。
回避して行動範囲が狭くなることより、その分より少しでいいので行動範囲を広くする。ということを心がけていきましょう。
パニック発作が起きそうな時の対処方法
人のいるところでも大丈夫になる方法があるから安心して出かけられるよ。
気分を切り替える方法が有効
薬を服用して緊張をほぐすことも出来ますが、ここでは薬に頼らない方法を紹介していきます。
不安に感じてしまう状況を感じなくさせる、言葉で言うのは簡単なんですが、それが出来ないからみんな悩んでるんですよね。
タブレット(飴)を持ち歩く
私が一番おすすめするものです。気分が悪くなりそうな時は1粒舐めます。飴の場合は小さいものがいいですね。食べるのではなく、舐めるというのは時間的なものです。食べてしまうとその瞬間で発作が起きそうな状態が改善できていない場合が多いです。舐めていると5分ほどでしょうか、その間に気分が改善しているので、食べるより舐めることがおすすめです。なんでガムや飴の大きいものはダメなのか、ガムだと食べていることがバレてしまうし、飴の大きいものも頬が膨れたりするので外部から指摘される可能性があります。普段なんでもない時であればいいのですが、仕事中だと困りますよね。タブレットだと匂いもそれほど強くないですし、外から食べているかどうかなんて分かりません。
電車では目を閉じる
電車、バスでは目を閉じることも効果的です。周りの状況を見ないことで1人でいるような感覚を作ります。この時、自分の好きな音楽を聞けばさらに効果が出るでしょう。
手のツボを刺激する
手全体をマッサージすることで健康になるとも言われていますが、それくらい手には全身のツボが集まっています。
私たちに必要なツボは手の平の真ん中、労宮というツボと、親指の付け根、魚際というツボが効果的です。
労宮というツボは、疲労回復、ストレス、自律神経、心の疲れ、肩こり、動悸、吐き気に効くツボです。
魚際というツボは、不安感、目眩、リラックス効果に期待が持てるツボです。親指などで押して刺激をしてください。
スマホを見る
目を閉じる事と同効果があると思います。周りの視線など気にしないで1人の空間を作る、ということではスマホを見ることは効果的です。
立ち止まることが必要なので状況は限られますが、効果的です。ニュースを見たり、好きなゲームをプレイするといった感じですね。
まとめ
何点か、気分転換をする方法を紹介しました。すでに実行してますよ、といった方も大勢いると思いますが、大事なのは行動範囲をマイナスにしない、といったことです。少しでもプラスの状況であれば長い時間を経て行動範囲は広くなっていきますが、少しでもマイナス状況なら家から出ることも怖くなるといったことも考えられます。少しでも安心できる場所、状況を増やしていくことで、これからの生活が変わってくるでしょう。
対処の方法に関しては皆さんそれぞれ他の方法があるかもしれませんね。あくまで私が実践しておすすめだと思ったものを書きました。ので、自分はこのやり方がいいというものがあれば、それを実行してしてください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。